自分の底に降りる

「ドライブ・マイ・カー」を見てきました。
村上春樹、奥深い~!

カンヌを初め数ある賞を総ナメし現在はアカデミー作品賞にノミネートされています。
外国語映画賞ではなく作品賞。。。

この作品、昔の私なら暗いから嫌いだと感じるか、受け止めきれなかったと思います。
それはこの作品のテーマと私自身のテーマがかぶっていたからです。


中心人物である彼は舞台演出家、自身の痛みや悲しみを無いものにして上辺で幸せに生きていく、そうしていくうちに大切なものを失い、「ワーニャ叔父さん」という役柄が重すぎて出来なくなります。
役柄になりきるには役柄の人生を等身大に受け止めなければならない、役柄の人生に降りることが必要だけど辛すぎてできないのです。

私の場合だと夫や子どもたちの痛みや悲しみをまっすぐ受け止めることができずに、無理に元気にしようとしたり、安心させようとしていた頃と同じ状態です。
ただ悲しみに寄り添えばいいのにそれが出来ませんでした。


「どれだけ理解し合っているはずの相手であれ、どれだけ愛している相手であれ、他人の心をそっくり覗き込むなんて、それはできない相談です。そんなことを求めても、自分がつらくなるだけです。しかしそれが自分自身の心であれば、努力さえすれば、努力しただけしっかり覗き込むことはできるはずです。ですから結局のところ僕らがやらなくちゃならないのは、自分の心と上手に正直に折り合いをつけていくことじゃないでしょうか。本当に他人を見たいと望むなら、自分自身を深くまっすぐ見つめるしかないんです。僕はそう思います」 
このセリフが深く心に響きました。

ラストに近づいた頃、彼は自分が気持ちを誤魔化して生きてきたことに漸く気づき自身の痛みや悲しみを受け容れ、見事に役を演じきりました。

そして私は何故次男が小説を書くのが得意なのかもわかったような気がしました。
彼はどんなに辛くても自分の底に降りきって自分を受け容れるのが上手です。


あれだけの情報を短くまとめるのは難しいですね。
伝わったかな😅


#ドライブ・マイ・カー

無垢なわたしへ Purification✩.*˚

これからの人生は私が私へ還る旅。 旅路の途中で感じたことを綴っていきます。 そして時には、旅の途中で出逢えたあなたに持って生まれた癒しの力で幸せのお手伝いをさせて頂けたら幸いです♡

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